活動内容

かわさき芽吹塾 3つの柱


「塾」と言っても、かわさき芽吹塾は単なる有料塾の代わりではありません。
上記の3つを柱に据えながら生徒一人ひとりと真剣に向き合い、学習支援にとどまらない多角的なサポートを提供します。

課題意識

「見える」貧困と
「見えない」貧困

「貧困」と聞いて、
あなたは何を思い浮かべますか?

 食事や生活すらままならない経済状況は、もちろん、貧困です。これを「絶対的貧困」と呼びます。国際貧困ラインでは、「1日1.90アメリカドル(約250円)未満で生活する人の割合」と定義されており、およそ7億人もの人が当てはまるとされます。

 極めて深刻な状況にありますが、比較的早くから注目され、対策が一定の効果を見せています。例えば、南アジアの貧困率は、1990年の45%から2013年には15%に、サハラ以南のアフリカ地域では54%から41%にそれぞれ減っています(世界銀行による)が、改善の背景には、絶対的貧困が世界の注目を集め、多くの機関による支援を受けたことがあるのは想像に難くありません。

「相対的貧困」
― 日本にある、”もう一つの貧困” ―

 しかし、注目されないもう一つの貧困があります。それが「相対的貧困」です。相対的貧困とは、所得が貧困ラインを下回り、いわゆる「普通」の生活に困る状態のことです。貧困ラインは、(ある特定の年齢層での)全人口の家計所得中央値の半分を指します。2018(平成 30)年の貧困ラインは 127 万円です。社会保障制度があり、生活自体に困ることは多くありませんが、その他にできる出費は非常に限られたものでしょう。

 日本の相対的貧困率は極めて高く、2021年のデータではOECD加盟国36か国中でワースト7位です。どこか知らない途上国ではなく、私たちの暮らすここ日本にも、目をそらしてはならない現実としての「貧困」があります。

「無料塾」って?

 無料塾は、そんな相対的貧困の中で、経済的な理由から有料の塾に通うことが困難な子どものため、無料で学習支援を提供する場として生まれました。暮らす場所・食べるもの・着るものももちろん大事ですが、それらと同じくらい、学びを得て自立していくことも大切なことです。

 全国各地に多種多様な無料塾が生まれていますが、「子ども食堂」などの生活支援と比べて、まだまだ関心を集められていない現状があります。かわさき芽吹塾は、多数のメディア(団体概要)に取り上げていただきながら精力的な活動を続け、無料塾全体の知名度向上にも貢献し、今後の支援団体のロールモデルとなりたいと考えています。

3つの「なぜ」

1.なぜ「子ども」なのか

 A:子どもに寄り添うことが、次世代の問題の予防につながるから。

 相対的貧困にある家庭では、保護者が働きに出ていることで、一人で食事をとらなければならない子どもや、家事に従事することを強いられ満足に勉強や遊びの時間が取れない子どもが多くいます。これらの影響は大きく、学習状況が悪化することにとどまらず、子どもの心身の成長を妨げる要因になります。中には、諦めを感じ何事にも積極的になれなくなってしまったり、自己主張が難しくなる子どももいます。

 そういった子どもたちは、前向きな進路選択が難しく、進学や就職のチャンスが乏しくなりがちです。その結果、安定した職業・収入を得られず、親となったとき我が子に十分な教育を与えることができなくなるという「貧困の悪循環」に陥ってしまいます。
 子どもの学習支援・居場所支援は、その子の成長をサポートするだけではなく、悪循環を次の世代に持ち越さないための有効な一打となるでしょう。

2.なぜ「学習」支援なのか

 A:収入の差が生む教育格差をなくす一助になりたいから。

 中学・高校での教育の現場では、集団での一斉教育の方式を採っているため、生徒個人に合わせた情報や学習機会の提供は十分にできているとは言えません。それを補う手段の多くは、学外の機関である「学習塾」に委ねられており、家庭にはその金銭負担が重くのしかかっています。神奈川県の中学3年生の通塾率は、実に75.8%に達します(令和3年度 全国学力・学習状況調査/家庭教師を含む)。そのような状況の中で、「塾に通えない」というただそれだけのことが、夢を諦めるきっかけにもなっています。

 私たちの多くは、つい数年前まで高校生でした。中高の教育について新鮮な記憶を持つ私たちにとって、教育格差はごく身近にある問題であり、見過ごすことはできません。経済格差によって生じる教育格差や情報格差をなくすことは、子どもの夢の実現のために、私たち大学生が今できることです。

3.なぜ「中学生・高校生」の学習支援なのか

 A:子ども・保護者とも、勉強や進学に最も不安を感じる時期だから。

 川崎市子ども・若者調査報告書によれば、中学2年生を対象とした調査で、「授業がわからなくなった学年」として、49.4%が中学1年生、18.2%が中学2年生と回答しており、実に68%近くの生徒が最初につまずくのは中学入学後であることからも、中学生に対する学習支援のニーズがうかがえます。

 また、同調査では、子どもの進学・就職に関して悩む保護者が極めて多くいることが明らかとなっており、85.4%の保護者が進学や受験に不安を抱えているほか、29.3%もの保護者が教育費を心配しています。
 大学・短大・専門学校・就職と、大きな選択を迫られる高校生はもちろんのこと、中学生も、今後の人生に大きな影響を与えうる時期です。
 かわさき芽吹塾が、特に高校受験を志す中学生への支援に注力するのは、このような課題の解決を志向するためです。

あなたにできること

これを読んでいるあなたにも
できることがあります。
あなたの一歩で、子どもたちを笑顔にしませんか?

一期生の受験慰労会